幸せの探し方
「初めまして、『ライム』の代表取締役社長の高天原です」

「あ、はい…」

目の前で名刺を渡してきた男に、わたしは同じように名刺を渡すことしかできなかった。

身長は少なく見たとしても宇大くんと同じくらいか、少し高めと言うところだろう。

年齢は４０歳くらい…と言ったところだろうか？

黒髪短髪に精悍な顔立ち、口元のヒゲは男らしいと言う印象を抱かせた。

ダークグレーのスーツに黒のシャツと黒の革靴と身なりもとてもおしゃれで…彼を一言で例えるとするならば“いいことも悪いことも知っているダンディなおじ様”が正解だろう。

と言うか、男だったんだ…。

そう思っていたら、
「失礼します」

宇大くんがお盆を持ってこの場に現れた。

「えっ…ちょっと仕事はどうしたのよ？」

緑茶をテーブルのうえに置いている宇大くんにわたしは聞いた。
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