幸せの探し方
その日の昼休み。

「えっ、ゴミ袋消えとった!?」

「声が大きい」

宇大くんの大きな声に、わたしは人差し指を唇に当てた。

「それ、ホンマなのか?」

声をひそめて聞いてきた宇大くんに、
「ホンマなんだよ、それが」
と、わたしは答えた。

「なあ、蜜柑ちゃん」

宇大くんがわたしの名前を呼んだ。

「最近、門谷はんと一緒におった心当たりはあらへん?」

「あるとするならば婚活パーティーと一緒に水族館に行ったことくらいしかないんだけど」

「す、水族館ってデートに行ったってこと!?」

「んな訳ないでしょ!」

わたしはそこまでに至った経緯を宇大くんに話した。

「ああ、なるほどなぁ…助けたお礼をさせられた、と」

そう言った宇大くんに、
「そうよ」

わたしは返事をした。
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