公然の秘密
でも尾関とは喧嘩をしても、子供ができたとしても、それらのことをしたいと思っている。

心の底から彼が好きだから彼を愛しているから、彼とこの先の人生を一緒に過ごしたいから思っている。

それが柚愛の今の気持ちだ。

「自分のことを何もわかっていないうえに、それを指摘してくれる人もいなかった。

それはよくない、間違っていると言って叱ってくれる人もいなかったあなたが見ていて本当にかわいそうです」

柚愛は言った。

「ーーか、かわいそう…？」

やっと声に出したその音は震えていた。

「な、何だよ…」

そう言った弘人は声だけじゃなくて躰も震えていた。

「結局のところは、柚愛もあいつらと一緒なのかよ…」

「はっ？」

何のことを言っているのか、柚愛はわからなかった。
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