公然の秘密
朝食の後片付けに洗濯、掃除と家事を終わらせた頃には昼近くになっていた。
「昼ご飯は久しぶりに冷凍のパスタでいいか」
冷凍庫から常に買い置きしてある冷凍パスタを取り出すと、それを電子レンジに入れて温めた。
パスタが温まるのを待っている間にスマートフォンを手に取ると、指で画面をタップしてSNSにアクセスした。
「おっ」
アクセスしたとたんに画面に表示されたそれに、柚愛は声をあげた。
『予定日よりも1週間早くなったけれど、娘が生まれました』
友人からの出産報告と小さな手の写真から目をそらすように、柚愛は画面を消した。
「今年に入って、3人目か…」
交際を始めて12年目、同棲を始めてから10年目の悩みーーそれは、恋人の弘人が自分と結婚をしてくれないことだ。
「昼ご飯は久しぶりに冷凍のパスタでいいか」
冷凍庫から常に買い置きしてある冷凍パスタを取り出すと、それを電子レンジに入れて温めた。
パスタが温まるのを待っている間にスマートフォンを手に取ると、指で画面をタップしてSNSにアクセスした。
「おっ」
アクセスしたとたんに画面に表示されたそれに、柚愛は声をあげた。
『予定日よりも1週間早くなったけれど、娘が生まれました』
友人からの出産報告と小さな手の写真から目をそらすように、柚愛は画面を消した。
「今年に入って、3人目か…」
交際を始めて12年目、同棲を始めてから10年目の悩みーーそれは、恋人の弘人が自分と結婚をしてくれないことだ。