公然の秘密
近くの公園のベンチに一緒に腰を下ろすと、
「一体、何があったの…?」

尾関が話しかけてきた。

「実は…」

柚愛は先ほどの出来事を尾関に打ち明けた。

「それで…ああ、それで泣いてたんだな。

と言うか、つきあってる人がいたんだな…って、今ここで初めて聞いた訳なんだけど」

尾関は人差し指で頬をかいた。

「長くつきあっているから結婚するって言う私の考えは、おかしいんでしょうか…?

周りもそうだから自分も…と言うのは、変なんですかね…?」

それに対して、尾関は何も言えないと言う様子だった。

「すみません、こんな話をしてしまって…尾関さんも、ご迷惑でしたよね…?」

「ーーそれさ、俺が相手じゃダメなの?」

尾関は言った。
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