公然の秘密
第3章
翌日。

「別に1日くらい休んでもいいんじゃないか?」

仕事に向かうために身支度をしている柚愛に向かって、尾関は言った。

「昨日いろいろなことがあったし、疲れてるだろ?

職場には俺の方から連絡しておくから」

続けて言った尾関に、
「もう大丈夫ですから」
と、柚愛は笑いながら言い返した。

「途中まで送ってくから、やっぱり行きたくないと思ったらいつでも声をかけてくれ」

「はい」

柚愛が返事をしたのを確認すると、尾関も身支度を始めた。

家を出ると、
「あいつから何か連絡がきたか?

さすがに柚愛が家にいないことがわかったら慌てただろうし」
と、尾関は聞いてきた。

「あの人の連絡先は全てブロックしました」

そう答えた柚愛に尾関は何も言わなかった。
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