公然の秘密
「質問に答えろっつーんだよ…」

弘人の後ろ姿に向かって尾関は呟くと息を吐いた。

「柚愛、大丈夫だったか?」

「はい…」

声をかけてきた尾関に柚愛は返事をした。

「あいつ、マジで感じが悪いな。

俺の質問にも全然答えなかったし」

もう2度とあいつと関わりたくねーな…と、尾関は呟いて息を吐いた。

「とは言え、まだ油断はできねーな。

柚愛、あいつに何かされたらすぐに俺に言うんだぞ」

「はい、わかりました」

柚愛の返事に尾関は笑った。

「よし、帰るか。

それとも、どこかで飯でも食ってから帰るか?」

「冷蔵庫には何か食べ物は入っていないんですか?」

そう聞いた柚愛に、
「…ストロングゼロだったら常備しているな」
と、尾関は答えた。
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