公然の秘密
翌日、柚愛は尾関と一緒に職場に向かっていた。

「またあいつが現れると厄介だし、もし現れて何かあったらすぐに俺に言えよ?」

「うん」

そんな話をしていたら職場が見えてきた…のだが、人だかりができていることに気づいた。

「何の騒ぎだ?」

「…どうしたんでしょうね?」

柚愛と尾関はお互いの顔を見あわせると、そこに歩み寄った。

人だかりを覗いてみると、店の窓やドアの至るところに貼り紙がたくさん貼られていた。

「ああ、加藤木さん!」

店長が自分の存在に気づいた。

「加藤木さん、どう言うことなんですか!?

こんな貼り紙が店に届いていたうえに貼られていたんですけど!」

店長が貼り紙の1枚を柚愛に差し出してきた。

「えっ…?」

「あいつ…!」

同時に覗き込んだ柚愛と尾関は声をあげた。
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