公然の秘密
『加藤木柚愛は複数の男と関係を持っている』

『加藤木柚愛はアバズレ』

『加藤木柚愛は男だったら誰でも大喜びで足を開いて迎える女』

店長に差し出された貼り紙にはそう書いてあった。

恐らく、これは弘人の仕業だろう。

「そんな訳ねーだろ!」

店長から貼り紙を奪った尾関はそれを破り捨てた。

「あいつ、よくもやりやがったな!

こんなことになるなら、やっぱりぶん殴っときゃよかった!」

怒り狂っている尾関とは対照的に柚愛は青い顔をしていた。

「おい、大丈夫かよ」

それに気づいた尾関が声をかけてきたが、柚愛は返事ができなかった。

「ともかく…柚愛はそんな女じゃないし、そう言うことをする女じゃない!

別れた彼氏が腹いせに勝手にやりやがったことなんだ!」

尾関は店長に説明をしていた。
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