お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚
第ニ章 淡い初恋の想い
私はハッと我に返り、深々と頭をさげた。
「すみません、私ったらなんて事を」
「大丈夫だよ、俺が悪いんだから」
「私、戸倉さんとは結婚出来ません」
私は彼に背を向けてドアの方へ走り出した。
「待って、行かないで」
彼は私の身体に触れない様にドアの前に両手を広げ立ち塞がった。
「美鈴がいいって思うまで触れないから、俺を嫌いにならないでくれ」
嫌いだなんて、私は戸倉さんが嫌なんじゃなくて……肩を震わせて涙が止まらなかった。
「美鈴、ごめん、泣かないでくれ」
彼は私の震えている私の肩に手を伸ばし、躊躇して引っ込めてを繰り返していた。
俺は美鈴との結婚を五歳の時から決めていた。
俺の母親は俺を産んでまもなくこの世を去った。
親父は程なくして再婚したが、俺は義理の母親には懐かなかった。
ある日、俺は迷子になった。
たかが五歳で既に反抗期だったのかもしれない。
一人でうちに帰れると信じて疑わなかった。
ところが道がわからなくなり、徐々に心細くなっていった。
「すみません、私ったらなんて事を」
「大丈夫だよ、俺が悪いんだから」
「私、戸倉さんとは結婚出来ません」
私は彼に背を向けてドアの方へ走り出した。
「待って、行かないで」
彼は私の身体に触れない様にドアの前に両手を広げ立ち塞がった。
「美鈴がいいって思うまで触れないから、俺を嫌いにならないでくれ」
嫌いだなんて、私は戸倉さんが嫌なんじゃなくて……肩を震わせて涙が止まらなかった。
「美鈴、ごめん、泣かないでくれ」
彼は私の震えている私の肩に手を伸ばし、躊躇して引っ込めてを繰り返していた。
俺は美鈴との結婚を五歳の時から決めていた。
俺の母親は俺を産んでまもなくこの世を去った。
親父は程なくして再婚したが、俺は義理の母親には懐かなかった。
ある日、俺は迷子になった。
たかが五歳で既に反抗期だったのかもしれない。
一人でうちに帰れると信じて疑わなかった。
ところが道がわからなくなり、徐々に心細くなっていった。