お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚
本当にこれでいいのだろうか、戸倉さんにとって迷惑ではないのだろうか?

いくら考えても、戸倉さんの気持ちがわからない。

どうして私との結婚を選んだの?

食事を終えて、彼のマンションに向かった。

入り口でコンシェルジュの牧野さんが挨拶をしてくれた。

「お帰りなさいませ、戸倉様、美鈴様」

「美鈴の荷物は届いているか」

「はい、既に到着しております」

「美鈴、良かったな」

「はい」

コンシェルジュの牧野さんはちょっと困った様子の表情を見せた。

「戸倉様、メーカーの発注ミスで、本日届く予定のベッドが明日になると連絡がございました」

「そうか、わかった」

彼に促されて、エレベーターで部屋に向かった。

「お邪魔します」
私はそう言って彼の部屋に入った。

それを聞いていた彼はニヤッと笑って言葉を発した。

「美鈴、今日からここは美鈴の住まいなんだから、お邪魔しますはおかしいよ」

「あっ、そうですね」

私と彼は微笑みながら見つめ合った。

< 21 / 72 >

この作品をシェア

pagetop