お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚
この空間に二人きり、心臓の鼓動が早くなるのを感じた。

「美鈴」

ふいに名前を呼ばれて更にドキッとした。

なんか私おかしい、戸倉さんを意識しちゃってる、さっきも妹と話している戸倉さんに、あまり仲良くしないでなんてヤキモチ妬いちゃったし……

「美鈴、どうかした?」

「いえ、何でもないです」

彼は言葉を続けた。

「さっき、牧野が言っていたベッドの件だけど、美鈴のベッドを頼んでおいたんだけど、メーカーの発注ミスで、到着が明日になるんだって、だから美鈴は俺のベッド使って寝て」

「そんな事出来ません、私はソファで十分です」

「ソファはリビングに置いてあるだろう、俺の寝室は鍵がかかるから、俺の寝室を美鈴が使った方が安心じゃないかな」

「でも……」

「ソファに美鈴が寝てたら、俺、美鈴を襲っちゃうかも」
カアーっと顔の熱りを感じた。

私がしどろもどろになっていると、戸倉さんは私に少しずつ近づいて来た。

「美鈴」

戸倉さんの顔が急接近して唇が数センチと迫った。

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