お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚
しゃがみこんで私の顔を覗き込んだ慶さんを確認すると、慶さんに抱きついてしまった。

慶さんは驚いた様だったが、私の尋常じゃない様子に、私を抱えて、その場を離れてくれた。

「美鈴、ちょっと外に出ようか」

パーティー会場のテラスにイスが置いてあり、そこに座らせてくれた。

「大丈夫ですか、今ミネラルウオーターをお持ちします」

そう言って対応してくれたのは秘書の真莉さんだった。

「真莉、悪いな、頼むよ」

なんて連携の取れた行動なの?

私は慶さんに迷惑ばかりかけてる。

きっと真莉さんのような人が慶さんの奥さんに相応しいんだ。

そう思ったら、情けなくて涙が溢れて来た。

「美鈴?どうかしたか?」

「いえ、大丈夫です、すみません、ご迷惑ばかりおかけして」

「そんな事ないよ、何か嫌な事があったなら遠慮しないで言ってくれ」

その時真莉さんがミネラルウオーターを持って来てくれた。

「どうぞ」

「ありがとうございます」

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