お前が欲しくて堪らない〜年下御曹司との政略結婚
「そうか、週刊誌の記事は美鈴ちゃんにとっても、会社にとっても大打撃だな」

「俺は美鈴と別れる気持ちはさらさらない、しかし役員共がうるさくて仕方ない、何か良い方法をと考えていたら、美鈴まで気が回らなかった」

「多分、お前の言動に不信感を抱いたんだろう、そのため素直な気持ちになれずにいるんだと思う」

「そうか」

「後もう一つ、自分の事で迷惑をかけていると判断してお前から離れようとしている」

「それもあるな」

「一番厄介なのは本当に病んでいる状態だ、診察したいんだが可能か」

「どうやって連れて来ればいい?」
「病院ではなく、兄に会わせたいと言って連れてこい、俺の家にな」

「わかった」

俺は美鈴に兄貴を紹介したいと申し出てみた。

「美鈴、兄貴が美鈴に会いたがっているんだが、今度一緒に行ってくれるか?」

あれ以来、美鈴と会話は交わしていない。

この時もちょっと考えて、頷いただけだった。

俺は美鈴の笑顔がみたい、美鈴と話をしたいとただそれだけでいいと願っていた。

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