優しすぎる彼が、今日も私を溺愛しすぎる
人肌が恋しい。
触れたい。
求められたい。
「ね、しようか?」
私は颯太のワイシャツを脱がして、上半身にしてやった。
でも、颯太は
「今日はもう寝ろ」
と、自分のスーツの上着を私にかけた。
さらに、颯太は冷蔵庫を開けて
「これ、預かっとくから」
と言って、ビールを自分のカバンの中に詰めていく。
「ちょっと!待ちなさいよ」
私が颯太に手を伸ばしたが、颯太はさっとシャツを着直して、出て行ってしまった。
私は、自分の肩にかかったスーツをぐしゃぐしゃになるくらいに掴み、ドアに向かって投げつけた。
「このへたれ!絶対別れてやる!」
そう叫んだ後は、一気に目の前がブラックアウトした。
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