The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜





「それはよかった。ヘンリーや兄弟とも順調か?」

「…」


私の答えを満足そうに聞いた後、引き続き私に問いかけて来た魔王の言葉に私は少しだけ黙る。

魔王はつまり人間界へ帰してやる条件の〝良好な関係を築く〟ことの現状を聞きたいのだろう。

…そんなもの最悪である。
いや、最悪であったの方が正しいか。

今現在は魔王訪問対策として普通だからな。


チラリとヘンリーの方を見ればヘンリーはいつもと変わらず微笑んでいるだけだった。
だがその目は笑っておらず『余計なことは言うなよ?』と視線で釘を刺されている気分だ。


余計なことなんて言うものか。
どんなに5兄弟たちと良好な関係を築けていなくても良好な関係を築けているフリをする。

それが帰れる条件なのだから。






< 112 / 490 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop