The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
「あ?咲良?お前!こんな時間に何してんだよ!」
「それはこっちのセリフな」
追われていたエドガーが私に気づき驚いたような表情を浮かべているがこちらだって驚いている。
むしろ驚いた目で見られる立場なのはそっちだろう。
「賭場で大負けしたんだよ!もう手持ちがねぇ!だから逃げてんだ!」
「サイテー」
冷めた目でエドガーを見れば「戦略的撤退だ!素晴らしいと言え!」と言っていたがますます私の中でエドガーの株が落ちた余計な一言だった。
「どのくらい負けたの?」
はあ、と大きなため息をついたあとカバンから自分の財布を出す。
ここへ来て2ヶ月。
家賃等払う義務もなく食費と必需品を最低限しか買っていない私にはそれなりに金はある。
深夜帯のシフトも入っているしある程度なら肩代わりできるはずだ。
「まさかお前…。神様かよ!いや!魔王様!いや!咲良様!」
私が何をしようとしているのか勘づいたエドガーが目を輝かせて私を見つめた。