The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
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ヘンリーと共に街の中を歩く。
仕事終わりである私は自分の足に鞭打って必死で足を動かしていた。
やっとの思いで帰宅したのに何が楽しくてまた歩かなければならないのだ。
しかもヘンリーの歩調は早すぎないがこちらに歩調を合わせる訳でもない、絶妙について行けるがついて行くのが地味に辛い早さだった。
なので私も何も言えずただ必死に足を動かす。
「テオから何も聞いていないのか?」
「ええ、まあ」
私の隣を歩くヘンリーからの質問に私は何が一体〝何も聞いていない〟の部類に入るのかよくわからず、曖昧な返事をしてしまう。
「…そうか」
そんな私を見てヘンリーは何かを探るような表情を浮かべ少しだけ黙った。