The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
「かわいい」
私を見てミアは本当に真剣な表情でそう言った。
その目はまるで草食動物を狙う肉食動物のようにギラギラとしている気がする。
異性に向けるようなそんな瞳。
まさか。
同性をそんな目で見るかい。視力落ちたかな?
ミアの視線に一瞬ドキッとしたが私はすぐに気持ちを切り替えた。
「ありがとう、ミア」
きっと気のせいだ。
*****
ミアと一通り買い物を楽しんだ後、私たちはミアおすすめのカフェで少し遅めのデザートを楽しんでいた。
「ええ?ハワード家の兄弟全員と契約しないといけないの?」
私の近状報告を聞いたミアは周りには聞こえないように小声でそう言って驚いた。
愛らしく大きな瞳がさらに大きく開かれている。
「そうなの。2人とは流れで契約できたんだけどあと3人もいてさ…。自信がなさすぎる」
はあ、と大きなため息を吐き私は項垂れる。
ここでは本音を言えるのも本当のことを言える相手もミアしかいない。
ミアは私にとってたった1人のここでの気を許している大事な存在だ。
ミアのおかげで私は最初から孤独ではないし、何だかんだでやれているんだと思う。