The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
変な空気のままクラウスと別れ、本探しを再開して数分。
ギャレットに頼まれた本は未だに一冊も見つからない。
ずっと本の背表紙だけ見ているので目がしばしばして来た。
「咲良?」
そんな私にヘンリーが声をかけてきた。
先程何故かクラウスが警戒していたヘンリーのご登場だ。
クラウス、ヘンリー今書庫にいるけど大丈夫?
匍匐前進バレるよ。
「ヘンリー。どうしたの?」
私はヘンリーに声をかけられたのでヘンリーの方に体を向けた。
するとそこには感情の読めない冷たい笑顔を浮かべたヘンリーが立っていた。
胡散臭い笑顔だ。
「…いや、書庫内で何か変わったことはなかったか?」
ありました。
「…特にはないかな?何かあったの?」
ヘンリーの言葉によってまず頭に浮かんだのはクラウスの匍匐前進だ。
だがクラウスにはあのことは口止めされているし、特にヘンリーには勘付かれることさえもなしだと言われている。
そう言われてたのでクラウスのことは黙っておくことにした。