The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
「そうか。この書庫内のどこかが破壊された気配を察知してな。兄弟の内の誰かが悪巧みをしている可能性があるから見に来ていたところだ」
「…へぇ」
小さくため息をついているヘンリーに適当な相槌を打つ。
クラウスのあの匍匐前進はヘンリーを悩ませる悪巧みの何かである可能性がありそうだ。
悪巧みの内容が少し気になったのでヘンリーに「例えばどんな?」と何となく聞いてみた。
するとヘンリーは各兄弟たちの過去の悪巧みについて話始めた。
「まずはエドガー。アイツは我が家の書庫にある貴重な書物を換金してギャンブルに注ぎ込もうとした。以来書庫の全書物には俺特製の絶対に換金できない魔法をかけている」
「…」
「ギャレットは本を大事にするし、バッカスはそもそも本に興味がないので特には問題ないのだが、エドガーと同じくらい注意が必要なのはクラウスだ」
「…」
「クラウスは以前、家に秘密の抜け道を作り、女を10人単位で勝手に我が家に入れ、連日、女たちと遊んでいたことがある。あれは野放しにしていると家で好き放題するから厄介なんだ」