The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
「いーや!目を覚ませ!」
友人と喉が潰れそうなほどカラオケを楽しみ、別れたところで私は自分の頬を両手で叩いた。
さすがに長居をしすぎた。
いや、楽しいし何より充実していたのでつい。
「目覚めろ!私!」
私の本来の目的なんだ。
ここで永遠に幸せに過ごすことじゃないはずだ。
ここは確かに楽しいが所詮作られたものに過ぎない。
私は帰りたい。
まずはここから帰って、それから人間界に。
ここは私の帰る場所じゃない!
「咲良?どうしたの?明日も同じ講義受けるよね?」
「咲良ちゃん。明日の夕方から空いてる?よかったらお茶でもしない?」
欲望を振り払おうとしている私の前に友人と憧れの先輩が現れる。
何て魅力的な存在だ。
それでも彼らも私の欲望が生み出した何でもない存在。