The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
でも言わなければ。
私は魔界へ帰って、最終的には人間界へ帰りたいのだから。
躊躇なんてしていられない。
「…ここから帰ろう」
「…は?」
「ここじゃなくてもアニメもマンガもゲームもできるよ?だから一緒に…」
私の言葉を聞いた瞬間、ギャレットから表情が抜けていく。
先程のキラキラ笑顔から無表情へ、そしてその表情は怒りの表情へと変わった。
「ここならこの部屋から出なくても生活ができる。誰かに後ろ指を指されずにずっとオタ活を堪能できる。幻のゲームやまだ世に出ていないアニメ、マンガ、そんなものまで手に入る世界はここしかない。咲良は俺の同志でしょ?そんなことも言われないとわからない訳?」
「…あ、いや」
「咲良だからこそこの部屋に入れたのに。まさかそんなことを言うバカだとは思わなかったよ。俺の同志なのに恥ずかしい」
「…それは、その」
「頭冷やして来なよ?冷静じゃない。もっとこの世界のメリットを考えて?俺の同志ならできるでしょ?それともバカだからできない?」
「…ギャレ」
「ちゃんとわかるまで俺の部屋に入って来ないで」
私に喋る隙を与えずに捲し立てるように喋り続けたギャレットは最後にそう言って私を部屋の外へと放り出した。