The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
「…で、聞かなくてもわかるが一応聞こう。ギャレットへの説得は?」
「…失敗しました」
「ふぅ、やはりか」
私の報告を聞き、ヘンリーは特に期待していませんでした、と言った様子で私を見つめる。
「俺たちにとってこの世界はメリットもあるがデメリットもある。だからこそ帰りたいと思えている訳だが、ギャレットにはそのデメリットが限りなく0に近いほどない」
「…うん」
「そんなギャレットを状況的にも説得できるのは咲良、お前だけだ。そのことは先程のことでよくわかっただろう」
「うん」
冷たい笑顔を浮かべて淡々と今の状況を喋り続けるヘンリーに私は元気なく返事を続ける。
「…あの、私1人では負担が大きすぎると言いますか、無理がありすぎると言いますか…」
お力添えを…。
と、助けをヘンリーを始め他の兄弟たちに求めようとしたのだが。