The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
クラウスの何番目かわからない恋人の座はなりたくてもなれない誰かに譲ろう。
「…咲良、これは咲良にしかお願いできないことなんだよね」
白い目でクラウスを見ているとクラウスが悲しそうな目で私をじっと見つめて来た。
あ、何かこれダメな気がする。
嫌な予感を感じて私は私を見つめるクラウスから勢いよく目を逸らした。
「…はぁ、咲良って本当ただの人間なのにそう言う勘はいいよね」
「…」
諦めたようなクラウスの声を聞いて確信する。
やはりクラウスは私に何かをしようとしたのだ。
私の勘は当たっていた。
「…何をするつもりだったの?」
「えー。んー」
ギロリとクラウスを睨みつける。
私に睨まれたクラウスは数秒だけ考える素振りを見せると「まあ、咲良、勘が良すぎてかかりそうにないしいっか」と諦めたように笑った。