The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
「僕のギフトは5秒以上目が合った者を僕の虜にできるものなんだけど、それで咲良に言うこと聞いてもらっちゃおうかな、て思ったんだ」
「…」
にっこり笑うクラウスに恐怖を感じ思わず表情を歪ませる。
自分の勘を信じてよかった。
クラウスのギフトを仮に食らっていたら私は今ごろクラウスの虜になり、クラウスの思い通りに動かされていたのか。
「…そこまでして私を恋人にしたいの?」
クラウスは冗談ではなく本気で私を自分の〝恋人〟にしたいらしい。
だが、その明確な理由がわらかない。
クラウスならそれこそわざわざ私じゃなくても他でいくらでも恋人を作れるはずなのだが。
「したい。さっきも言ったけどこれは咲良にしか頼めないことなんだよ」
「…なるほど。理由くらいは聞くよ」
いつものように美しく笑っているクラウスだがその表情はどこか暗い。
さすがにそんなクラウスをいつまでも邪険に扱うこともできず私はとりあえずクラウスの話だけでも聞いてみることにした。