The kiss of death!!〜イケメン悪魔5兄弟VS私!!〜
「…実は僕、今とても愛が重たい女の子に想いを寄せられていてね。僕くらいの美しさなら重たい愛情を持ってしまうことも頷けるんだけど。その子、僕の本命になりたいみたいで」
「うん」
「僕、本命は作らない主義なの。だって僕が本命を作ると世界中の女の子が悲しんじゃうでしょ?それに僕を讃える女の子が1人だなんて僕の方も耐えられない。僕の美しさは誰にも囚われない、計り知れないものだから」
「…うん」
「つまり世界の為にも僕の為にも彼女には僕の本命を諦めてもらいたいの。で、その為には本命がもういるんだよ、て言った方が早いでしょ?」
前から思っていたが、クラウスが自分の話を始めると余計な自分褒めが入り微妙に長くなる傾向にある。
今回の話もそれで半分は自分のことを讃えている内容だ。
「…つまり本気でクラウスの本命になりたい子を諦めさせる為の口実としてもう本命がいることにしたい、と」
「そう。咲良なら僕の美しさに残念だけど目が眩んでそのまま本命にして!て言わなそうだし、適任かな、て。1週間でいいから、ね?お願い」
「…」
クラウスが私に伝えたかった内容を真顔で要約するとクラウスから甘い笑顔が返ってきた。