あなたの声を聞いてみたい
先生が来た。

私は全く耳が聞こえないわけじゃなくて

聞こえにくいだけなんだけど、今日は調子

が良くて、ちょこっとだけ聞こえる。

「今日は転校生が来るぞ」

男の子が入ってきた。

紫色の目にベージュの髪の毛だった。

とても笑顔が合うかっこいい子だった。

「浅口暦です!よろしく!」

「じゃあ夏菜さんの隣の席に座って」

私は窓側の端の席で浅口君は私の隣になっ

た。

「俺は浅口暦!よろしくね!」

『浜松夏菜です。耳が聞こえにくいからこの筆談ノートで話します。書くのが遅いけどよろしくお願いします』

「友達になろうよ!」

『会話がこのノートで書くのが遅いけどいいの?』

「うん!」

初対面でこんなに私としゃべってくれる人

は始めてだ。

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