チューリップ~君に贈る花~
現世に戻っていただきます
「―――であるから…
君、ちゃんと聞いているのかい?」
ホワイトボードに何かを書いていた手を止めて、男がこちらのほうを振り返る。
怒っているような、呆れているような、はたまたそのどちらも入り混じっているような、そんな表情で俺を見ている。
「はいはい、ちゃんと聞いてますって。」
俺はいつもの調子で、頬杖を突きながら男にテキトーな返事を返す。
そんな俺の返事を聞いて、男は「やれやれ」と言いたげに深いため息を漏らした。