チューリップ~君に贈る花~
「君ね、もう少し真面目に話を聞いてはくれないか?
いいかい―――」
「「これは重要なことなんだ」」
「でしょ?」
わざと男の言いそうな言葉を声に出して言ってみる。
思った通り、当たりだ。
この間から同じ話を何度も何度も聞きすぎて、男が何を言うのか、もはや聞かなくても想像がつくようになってきた。
得意げにニッと笑う俺とは対照的に、男の顔がまた一段と歪んだように見える。
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