チューリップ~君に贈る花~
「もう理解したと仰りたいんですか?」
不服そうな表情のまま、俺を一瞥する。
明らかに疑っている表情だ。
「もちろん。」
しかし俺は、そんな男の態度を意にも介さず、自信満々にうなずいてみせる。
俺も男も互いをじっと見て、目線をそらさなかった。
男はしばらく何かを考えこんでいるようで、ずっと黙っていた。
が、とうとう「わかりました。」と小さい声で言い、渋々といった様子で首を縦に小さく振った。
その声は、やはりため息を含んだような声だった。
俺のことを認めてくれたというよりも、根負けしたという感じで了承したのだろう。