チューリップ~君に贈る花~
事の発端は、今からおよそ3日前。
俺はこの世界の仕組みが分からず、とりあえず人の波に流されるようにみんなの進む方向に向かってただ歩いていた。
どれくらいの時間、どれくらいの距離を歩いていたのかは全くわからない。
ただ、だいぶ歩いていたような気がする。
初めは何も見えなくて、ただ薄暗いトンネルのようなところをひたすら前に歩いているだけだった。
夜かと思うほどに真っ暗なところから始まり、次第にグレー、そして白に周囲の明るさが変わっていっているようだった。
俺も歩き続けて、ようやくグレーに差し掛かるくらいのところだった。