旦那様は征服者~琉聖編~
「うん!もちろん!待ってて、すぐ帰る用意してくるからね!」
腕を緩めて、小梢に向き直った。

「え?琉聖、仕事は?」
「もう、終わりだよ!」
琉聖はそう言って、頭をポンポンと撫でた。

「ほんと?大丈夫なの?私、終わるまで待ってるよ?」
「大~丈夫!!待っててね!」
小梢に軽くキスをして、エレベーターに向かっていったのだった。

「秋山~!俺、もう帰る!
車、回して?」
「はい、かしこまりました」
「じゃあ…琉ちゃん、僕行くね~!」
「あ、しーちゃん下まで一緒に行こ?」
「うん!」

「小梢~お待た━━━━」
「━━━━すみません。旦那さんに一度聞いてみないとわからないので……はい、わかりました。では明日…」
琉聖と茂和が一階ロビーに向かうと、小梢は電話中だった。

「小~梢!電話、誰?」
後ろから抱き締めた琉聖。
「ひやぁ…!び、びっくりした~」
「“ひやぁ”だって~!可愛い~」
「琉聖、急に抱きつかないで!びっくりしちゃうでしょ?
あれ?茂和さん?」
琉聖に向き直り、抗議する小梢。

「久しぶり~小梢ちゃん!」
「お久しぶりです。お仕事ですか?」
「うん、琉ちゃんに仕事頼まれたの」
「そうなんですね。私からも、よろしくお願いします!」
「フフ…さすが、奥さんだね!」
「え///?」

「もう!小梢、しーちゃんばっか見ないで?
しーちゃんも、小梢を取らないで?」
小梢を腕の中に、まるで隠すように閉じ込めた。

「あ、ごめんね!琉ちゃん!怒んないで…!?」
「いくら…しーちゃんでも、許されないよ!
俺の小梢を取るようなこと……」
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