旦那様は征服者～琉聖編～

｢うん、そうだよね……ごめんね！｣
必死に謝罪する、茂和。
｢もう、いいよ！しーちゃんだから、許してあげる！｣
そんな茂和に琉聖はため息をつき、微笑んだ。

｢あの…琉聖…｣
｢小梢もだよ！俺のことだけを考えてって言ったでしょ……！？｣
腕を緩めて小梢に向き直り、小梢の目を鋭く見つめた。
｢うん…ごめんね…｣
｢しーちゃんだからまだよかったけど、他の男だったらお仕置きだよ！｣
｢お、お仕置き…！？｣
｢うん、そうだよ。だから、他の男のこと考えちゃダメなんだよ？わかった？｣
小梢に琉聖は、言い聞かせるように言ったのだった。
｢うん…｣

｢あ、そう言えば…さっきの電話、何だったの？｣
車に乗り込んだ二人。
思い出したように、小梢に聞く琉聖。
｢え？係長からの電話だよ｣
｢は？園田！？また！？なんなの！？｣
｢あ…ご、ごめんなさい！怒んないで……｣
園田の名前が出た為、思わず声をあらげる琉聖。
ビクッと身体を震わせる、小梢。

｢あ、違うよ！小梢に言ったんじゃないよ！？
俺こそごめんね！つい…｣
小梢を抱き締め、背中をさする。
｢うん、明日ね…係長と他の社員さん達と外勤なんだけど、夕食みんなで食べて帰ろって誘われたの。
もちろんみんなでだし、女性社員もいるけど男性もいるから琉聖に聞いてから返事するって言ったんだけど……行ってもいい？｣
琉聖に向き直り、上目遣いで見る。

｢そう…わかった！でも、必要以上に話しちゃダメだよ！特に男！
あと、どこで食事するかとか詳しく教えて？｣
｢うん、明日聞いてから連絡するね！｣

とは言ったものの、小梢が自分以外の男と食事をすると聞かされただけで、身体の中が沸騰する程怒りに包まれていた。