旦那様は征服者~琉聖編~
「はい!遅くなって、申し訳ありません!」
慌てて寝室に入ってくる、育実。

「早く、来てよ!!」
「申し訳ありません!」
育実は必死に、平謝りをしている。
「小梢がね、身体が動かないの。
だから、小梢の会社に休みの電話して!!」
「は、はい!かしこまりました!
小梢さんは、大丈夫ですか!?」
「それは俺がいるから、問題ない!
早く電話して!!」
入ってきたのと同じように、慌てて出ていく育実だった。

「小梢…今日はずっとくっついてようね……」
頭を優しく撫でながら囁く。

そこへ琉聖のスマホに着信が入った。
画面に【しーちゃん】の文字。
「もしもし?しーちゃん?」
『琉ちゃん、消したよ!アレ』
「ほんと!?ありがとう!」
『うん、琉ちゃんの為なら何でもするよ?』
「フフ…俺も、しーちゃんが大事だよ!
………ねぇ、しーちゃん」
『んー?』
「もう…小梢と離れたくない…」
『琉ちゃん?』
「どうしたら、小梢のこと独り占めできる?」
『んー、そうだね……
例えば、小梢ちゃんの周りに誰もいなくなればいいんじゃない?
僕が、全員消しちゃおうか?』
「そうだね!あ、じゃあ…アイツ!
円佳ってヤツ、消して?小梢が一番仲いい社員なんだぁ」
『ん。了解~!』

通話を切るとちょうど、小梢が起きた。
「んん…」
「おはよ、小梢」
「おは…」
「声…出ないの?」
「ちょっ…だけ…」
「小梢、今日仕事休みの連絡したからね」
「え…」
「起きれないでしょ?」
「ごめ……なさ…」
「ううん。謝んないで……小梢を壊したのは俺だから。
俺は嬉しいよ…?小梢とくっついていられるから」
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