旦那様は征服者～琉聖編～

｢え…あの……｣
｢冗談だよ…(笑)
本気にしちゃって、可愛い～｣
｢なっ…！と、とにかく！無理ですから！失礼しました｣

小梢は休憩室に向かい、琉聖に電話をかけた。

｢あれ？小梢、どこ行くんだろ？
ねぇ、しーちゃん｣
｢何？｣
｢今度、会社中に監視カメラつけといて！｣
｢うん！了解～｣
｢ありがとう！｣
そこで、琉聖のスマホが震えた。

｢あ！小梢だ！｣
パッと表情が明るくなる。
｢小梢！どうしたの？俺の声聞きたくなった？｣
『あのね、今日…一緒にお昼ご飯食べない？』
｢え！？うん！！もちろん！食べる～！｣
『ほんと？よかったぁ。
琉聖、忙しいからどうかなって思ってたから』
｢大丈夫！ちゃんと仕事はこなしてるから！｣
『じゃあ…またお昼休みに、連絡するね！』

｢琉聖さん、さっきの男っすけど、小梢さんと同期の社員みたいですよ。秋山さんが調べてくれました｣
｢そう…邪魔だな……｣
｢琉ちゃん、消す？｣
｢うん、よろしくね｣

また一人……人が消えていく。

その後も茂和が会社全体に監視カメラをつけた為、小梢はどこにいても琉聖に見られていて、少しでも仲良さそうすると次の日にはその社員がいなくなるのだ。

その内、会社内で変なうわさが流れるようになる。
小梢と話したり、関わったりすると会社からいなくなる。
小梢は“死神”と言われるようになったのだ。

そして小梢は━━━━━━
会社を辞めざるおえなくなったのだった。