旦那様は征服者~琉聖編~
自由がなくなってく
自宅に帰りつき、ソファに座る小梢。
「コーヒー入れましょうか?」
「あ、はい。すみません」
コーヒーを飲んでいると、また小梢のスマホに着信が入った。

画面には“園田係長”の文字。
それをすかさず、確認した育実。

小梢が電話をしている間に、琉聖に報告する。
『へぇー小梢、今日休みの日なのにね』
「仕事の話をしているだけのようですが、一応ご報告を……」
『ん。わかった。もうすぐ帰るから、小梢に確認する』

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その後、琉聖が帰ってきた。
「ただいま、小梢」
「おかえりなさい」
すぐに抱きつく、琉聖。

「んーー、やっぱ小梢を抱き締めてると一番落ち着く」

リビングに向かい、小梢をソファに促した。
「小梢」
「ん?」
「今日、何してた?」
足を組んで座っている琉聖が、小梢の髪の毛を一房取って遊び出す。

「え?電話で言ったように、育実さんの買い物について行っただけだよ」
「んー、そうじゃなくて。
全部、教えて?」
自分の組んだ足の上に、頬杖をついて言った。
「全部?」
「例えば、電話とか」
「え?あ、円佳と園田係長から電話があったよ」
「へぇー、何を話したの?」

「言わなきゃダメなの?」
「言わなきゃダメなの。言ったよね?小梢の全部を把握したいって」
「円佳は、今日会わない?ってお誘いの連絡で、園田係長は明日の会議のことで聞きたいことがあるからって電話だよ」
「ふーん。わかった。で、その園田係長は男?」
「え?そ、そうだよ」
「男……」
「あ…でも、ほんとに仕事の話だけしかしてないよ!」
なぜか…恐ろしいことになりそうで、慌てて弁解する小梢。

「許せないね…今日は、小梢仕事休みだよ?
ただでさえ、小梢に電話なんて許されないのに」
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