世界で一番大好きです。
「いやお前だろ、水瀬」
「だってぇ、如月君に可愛いって思ってもらいたいんだもん」
如月君の腕を掴んで可愛らしくそう言う水瀬さん。
これは、きっと本音だ。
私も、素直にこんなこと言えたらいいのに...
声...出ないかな...
昼休み、私は試しに誰もいない音楽室に行った。
屋上も図書室も教室も、たくさん人がいたから。
ここなら誰にも見つからない!
私は喉に手を当てて口を開く。
「っ...〜」
出ない...か。
声って、どうやって出すんだろう...。
もう、分からない。
でも私、如月君とお話し、したいのっ...
だから頑張るっ...!
その時―――