世界で一番大好きです。

たくさん走って胸が苦しい。


音楽室に着いたはいいけど、そこに如月君はいなかった。


どこに...行っちゃったの...?


校内はだいたい探し回ったのにっ...どうして見つからないのっ...?


結局昼休み中に如月君が見つかることはなく、私は渋々授業に参加した。



「えーっ、如月は急に体調が悪くなったそうで早退なー」



えっ...早退...?



「如月早退とか、マジか」


「うそぉー如月様いないのー?」


「大丈夫かな?」



ど、どうしたんだろうっ...!


早退なんてっ...!



「里菜、何か知らないの?」



ちょっと尖った言い方で聞いてくる水瀬さん。


り、里菜って呼んでくれたっ...!?



『ありがとう、くるみちゃん。でも私も知らないの。』



そのノートをこっそり見せれば、く...くるみちゃんは照れたようにプイッと顔を背けてしまった。
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