世界で一番大好きです。
「それでも助けなかったのはっ...自分が助かりたかったから...
この2人を助けたら、代わりに俺がひかれて死ぬ...。
2人を助けたら、間に合わないっ...そう、思って...」
如月...君...
「俺は、2人を残して逃げた。見殺しに...したんだ」
そんな...
「高く吹っ飛んだよ...脚が変な曲がり方してたけど、
母親の方はまだ生きてた。
でも逃げたよ...。とっさに」
なんて...悲しそうな目をするんだろう...。
その出来事が、彼をどれだけ苦しめたのだろう。
「逃げてる時に、振り返ったら、その吹っ飛んだ人の近くにお前がいた。
泣き叫んで、必死に周りに助けを求めて..."お母さん達を助けてっ!"て、泣き叫んでる姿も見たっ...。
助けなきゃって思ったのにっ...結局逃げるんだよ、俺はっ...」
私の瞳からは一筋の涙が零れ落ちる。
その姿を見た如月君は、悲しそうに眉をひそめて下唇を噛み締めている。
「如月君...ずっと苦しんでた...?」