世界で一番大好きです。

「里菜...今声がっ」


「わた...しっ...き、らぎくんに、逢いた...い」



カタコトになってしまったけど、くるみちゃんはちゃんと聞き取ってくれた。


くるみちゃんは何度も何度も頷いてくれて、私の肩をギュッと抱いてくれる。



「頑張って! 私はいつでも里菜の味方だよっ!」


「う...んっ...」



私達は渋谷君達のいる部屋に戻った。



「あ、花園さん! 見て見て、この子可愛くない?」



桐谷さんが小犬を高く持ち上げて私に見せてくる。


今私が如月君のとこに行きたいって言ったら、皆の空気を悪くしちゃうかな...。



「里菜、急に用事できちゃったらしくて、もう帰らないといけないんだって」



私の隣でそう言ってくれたくるみちゃん。


くるみちゃん...。


ありがとうっ...。



「そうなんだ...じゃあまた今度遊ぼう?」



桐谷さんのその質問に、私は大きく頷いた。
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