世界で一番大好きです。

また...遊んでくれるんだ...。


私も、このまま退散するのは失礼だ。



「っ...あ、ありがとうっ...」



掠れて、小さくて、消えてしまいそうな声だったけど、それを聞いてくれた渋谷君と桐谷さんはとても驚いている。


これだけは、伝えとかないと...と思って。


よかった...ちゃんと声出た...。



「ぉぉおおおおお前っっっ! ここここここ声っっ!!」



渋谷君の喋り方が面白くて、私は思わず吹き出してしまう。



「あははっ...!」



私の笑う姿を見て、桐谷さんはとんでもなく驚いたように目を見開いた。


そしてすぐに笑顔を返してくれた。


私は皆が子犬たちと遊び始めたのを確認してから走り出した。


どこに如月君がいるかなんて分からない。


如月君に会って、何を言えばいいかも分からない。


でも、今はただ、君に逢いたくて堪らないから―――


逢いたい、逢いたい。


それ以外の理由なんていらない。


逢いたいっ...。
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