世界で一番大好きです。
凛々しい表情で俺をじっと見つめてくる里菜。
コイツは、どれだけ強いんだ...。
何を、言われるだろう...。
何を思って、俺の名前を呼んだんだ...。
俺はとっさに逃げてしまった。
いつもと同じ。
怖くなって、逃げる。
どうすればいいか分からなくなったら、逃げてしまう。
ちゃんと向き合わなきゃって思うのに、分からなくなる。
「ま、待ってお願いっ...!」
俺の袖をグイッと掴んで引っ張ってきた。
嘘だろ、もう追いついたのか...。
足速すぎだろ...。
「っ...き、きさら、ぎくんっ...」
なぜか突然泣き出す里菜。
はっ!?
何で泣くんだよ!?
戸惑う俺の気持ちなんか知らずに、里菜は次の瞬間、信じられない行動をとった。