喧嘩最強男子の溺愛
◎ 第十七章 それぞれの新しい旅立ち
10月になり、お母さんと竜也さんが入籍した。
お母さんは再婚だし、もう大々的にお披露目はしないらしいけど、郁人が企画してくれて、私と郁人で結婚のお祝いをした。
濃い化粧をして、派手なドレスを着て、朝まで帰って来ないお母さんの仕事が嫌いだった。
今日のお母さんは優しい化粧をして、清楚なドレスで。
お母さんはとても綺麗だった。
今まで苦労してきた分、竜也さんと幸せになってね。
そして、お母さんが私に小さな花束をプレゼントしてくれた。
「帆乃香、ブーケトスはできないけれど次に幸せになるのは帆乃香なのよ。高校を卒業したら社会に出るんでしょ。たくさん人生の勉強をしなさいね。そして大切な人と素敵な人生が送れるように、この花束を帆乃香に贈ります」
「お母さん・・・。ふぇーん」
「いやね、泣かないで、帆乃香。皆が困っちゃうでしょ」
「お母さん、ありがとう。お母さんもうんと幸せになってね」
「ありがとう、帆乃香。さ、あなたは郁人くんの隣で笑って。郁人くん、これから帆乃香と郁人くんにも色々な事が起こると思うけど、帆乃香に飽きるまで、帆乃香をよろしくお願いします」
お母さんの言葉を受けて、郁人がお母さんに誓った。
「はい。帆乃香を絶対に幸せにします。帆乃香に飽きるなんてことは絶対に無いんで、心配しないで下さい」
「郁人ぉー・・・。ふぇーん」
「帆乃香、泣きすぎだって。笑ってよ。今日は幸せな日なんだろ」
「うん」
お母さんと竜也さんが籍を入れると、2人は一緒に暮らし始めた。