そのサキュバスは夢を見る
私の夢へ…
小さなベッドが二つ、ダリアの店の奥の部屋に置かれている。
ここは来た病人を一時的に休ませるための部屋だそう。今は当然誰もいない。
「さ、ナンネ、ベッドに寝て…?」
ともに部屋に入ってきたティト様が私を促す。
「え…いえ、でも……」
ティト様は困惑する私に笑いかける。
「俺はインキュバスだよ?ナンネがサキュバスのときは俺はお客さんだったけど、今はそうじゃないでしょ?それにもう夜だから、俺の魔力は最大限発揮出来るよ。ダリアの言っていたとおり、ナンネは身体を休ませて?」
少しの間ためらい、ようやくベッドに腰掛けた私にティト様は優しく語り掛ける。
「インキュバスは相手の夢へ現れるんだ。…大丈夫、ナンネから離れたりしないよ。君が辛くなければ、一緒に夢の中で過ごしたいだけ…」
「ティト様…」
これだけのことで私の心は温かくなる。
私が逢瀬のさなかに夢中で言った言葉を、ティト様はしっかりと覚えていてくれた…
「ね、良い…?ナンネ…」
ティト様はいつも私を気にかけてくれる、優しい方…
「…私のもとへ、来てください…ティト様…。貴方にそばにいてほしいです…」
私はゆっくりと身体をベッドに横たえる。
私が共の眠りに誘うためでもなく、彼の欲望のためでもなく、彼の純粋な願いを満たし、私が彼と過ごしたいと思うから…
いつの間にか光の満ちた空間に、私の体は横たえたまま浮いている。
ティト様が現れ、寝そべる私をそっと抱き締めてくれた。
「ナンネ…君は本当に頑張り屋だね…もう苦しんでほしくない…君が望んでくれるなら、俺はずっと君のそばにいたいんだ。」
私が待ち望んでいた、優しいティト様の声や言葉、温かいティト様の抱擁に、私の胸は高鳴った。
「私にはもったいないくらいです…!本当に優しい方……」
「俺がそうしたいんだ、もったいなくないよ。ナンネのそばが良い…ね、もっとそばに寄っても良い…?」
「もっと…そばに…?」
私を抱き締めてくれているティト様。
これ以上そばに寄ることなんて出来るのだろうか?
…もしかして…
私は目をそっと閉じて、その時を待つ。
「ナンネ…」
私の考えが当たったのか、嬉しそうに声を少し弾ませたティト様は私を抱き締め、何度も優しく私に口付けてくれた。
私は心地が良くなり、身体が蕩けていきそうな気すらした。
「ナンネが笑ってくれて嬉しい…!疲れていない?ナンネが疲れてないならずっと抱き締めていたいよ。」
私はその言葉に強く頷く。
ここは来た病人を一時的に休ませるための部屋だそう。今は当然誰もいない。
「さ、ナンネ、ベッドに寝て…?」
ともに部屋に入ってきたティト様が私を促す。
「え…いえ、でも……」
ティト様は困惑する私に笑いかける。
「俺はインキュバスだよ?ナンネがサキュバスのときは俺はお客さんだったけど、今はそうじゃないでしょ?それにもう夜だから、俺の魔力は最大限発揮出来るよ。ダリアの言っていたとおり、ナンネは身体を休ませて?」
少しの間ためらい、ようやくベッドに腰掛けた私にティト様は優しく語り掛ける。
「インキュバスは相手の夢へ現れるんだ。…大丈夫、ナンネから離れたりしないよ。君が辛くなければ、一緒に夢の中で過ごしたいだけ…」
「ティト様…」
これだけのことで私の心は温かくなる。
私が逢瀬のさなかに夢中で言った言葉を、ティト様はしっかりと覚えていてくれた…
「ね、良い…?ナンネ…」
ティト様はいつも私を気にかけてくれる、優しい方…
「…私のもとへ、来てください…ティト様…。貴方にそばにいてほしいです…」
私はゆっくりと身体をベッドに横たえる。
私が共の眠りに誘うためでもなく、彼の欲望のためでもなく、彼の純粋な願いを満たし、私が彼と過ごしたいと思うから…
いつの間にか光の満ちた空間に、私の体は横たえたまま浮いている。
ティト様が現れ、寝そべる私をそっと抱き締めてくれた。
「ナンネ…君は本当に頑張り屋だね…もう苦しんでほしくない…君が望んでくれるなら、俺はずっと君のそばにいたいんだ。」
私が待ち望んでいた、優しいティト様の声や言葉、温かいティト様の抱擁に、私の胸は高鳴った。
「私にはもったいないくらいです…!本当に優しい方……」
「俺がそうしたいんだ、もったいなくないよ。ナンネのそばが良い…ね、もっとそばに寄っても良い…?」
「もっと…そばに…?」
私を抱き締めてくれているティト様。
これ以上そばに寄ることなんて出来るのだろうか?
…もしかして…
私は目をそっと閉じて、その時を待つ。
「ナンネ…」
私の考えが当たったのか、嬉しそうに声を少し弾ませたティト様は私を抱き締め、何度も優しく私に口付けてくれた。
私は心地が良くなり、身体が蕩けていきそうな気すらした。
「ナンネが笑ってくれて嬉しい…!疲れていない?ナンネが疲れてないならずっと抱き締めていたいよ。」
私はその言葉に強く頷く。