長い夜、君と会って
小学生1年生の春 入学式

優しい6年生のお兄さんに一目惚れをした


昔から王子様とお姫様の物語が好きだった
友達と恋の話をするのも好きだった
人を好きになる感覚は幼い頃からなんとなくわかっていた


でも、高校2年生になる今、好きになった人と付き合っても何か物足りない気がして

上手くいかない

楽しくなかった

恋愛ってもっときゅんとしてドキドキして

そんな感じじゃなかったっけ

恋ってなんだっけ

期末テストも終わって、あとは夏休みを待つだけになった
クラスでは彼氏との予定を自慢げに話す声がやけに耳に入ってきた

「ねえ、カズマがさーみんなでどっかいかねー?って!ユウガも行くでしょ?」

シャボン玉のふわふわした香りが私の鼻を通った

幼稚園から親友のナツコだ

「カズマ?!久しぶりに聞いたその名前ー笑 なんにも予定ないし、いこうかな」

カズマは小学生の時仲の良かった男友達

本当に真っ白なスケジュール帳に一つ明るい花が咲いた

今年の夏は1人静かに家でこもってようと思っていた

でもまあ、華のJK2 流石に女1人で家にこもるのもなあと思いそう返事をした。
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