長い夜、君と会って
「あっっつーーーーーー!」

セミの声も一瞬聞こえなくなるほど大きな声でナツコが叫んだ

今日は信じられないくらい、本当に暑い

夏休みに入って、約2週間
その間、特に変わったことはなかったが今日は約束をしていたカズマに会う日だ

「私のこと覚えてるかな」

「ふふっ、何言ってんの、中学校だって同じだったじゃん、それにカズマはユウガのこと、好きだったんだからー」

「え?なにそれ」

「え、まじで?気づいてなかった感じ?!ありえないーあんなわかりやすいのに?!ユウガらしちわあ〜」


過去の話といえど、そう言われると会うのが少し気まずく感じた
確かにカズマとは仲が良かったけど、そんな感じ一切しなかった


ナツコの昔話を聞きながら歩いていると3人組が前から手を振っている


「あっ!おーい!カズマー!久しぶり!」

「久しぶりだな!ナツコ、、変わんねーなー笑」

「あんたはなんか、、まあ変わらないわね」

久しぶりの再会に少し緊張していた私はふとカズマの横から視線を感じた


ズキッ


胸の奥の方でトクン と胸を打った


そこにいたのは幼馴染と呼ぶには浅く友達というには深い
そんな曖昧な関係のシュウがいた


正直、シュウとは色々あったのだ


「あー、とりあえず行こーぜ!」

カズマがそう切り出し、みんなでカズマのおじいちゃん家へ向かった

カズマのおじいちゃんは海の近くに住んでいて、そこで小さなカフェを開いていた

そのまた近くに別荘があり、そこに二日間泊まる事になった




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