長い夜、君と会って
「久しぶりだね、元気だった?」
「うん、元気だったよ シュウは?」
「元気だったよ」
どことなくぎこちない会話
昔からそう
私はシュウと話す時はずっと緊張してしまう
普段は誰とでも話すことができる私だけど
シュウの前では話題が何も出て来なくなる
「俺のこと忘れてるかと思ったよ」
ちょっと笑ってシュウが言った
「確かに会ってなかったけど、流石に忘れないよ」
「へへっ、だよな」
少し垂れ目がちなシュウの目
無邪気に笑う表情は私の胸をまた緊張させる
シュウと話すと不思議な空気になる
好きではないけど恋をしているような感覚
ドキドキしてなにか胸が熱くなる
「あのさ…」
シュウは何か言いかけたがナツコとカズマが帰って来てタイミングがなく聞き返すことができなかった