年上同期から恋人へのロード
駅の近くまで来たとき、電話が鳴っていることに気がついた。先輩からだ。
気がつけば何度も着信があった。手が震えている。
声、聞きたくない。

どんなに離れていても、会えなくても、先輩は私を思っていてくれてると信じていた。
それなのに、先輩は私でない女の人と・・・脳
裏から離れない。
涙が溢れて嗚咽が止まらず、息の仕方も分からないくらいだ。

どうやって帰ったんだろう。気がつくと家の玄関だった。
先輩からの電話が何度もかかる。
メールも何件も来ていた。読む気がしない。
もう無理だ。

「メールでごめんなさい。先輩の声を聞くことも、先輩からのメールを見ることも、先輩に会うこともできない。先輩が好き、だからこそもう先輩を好きでいられない。お願いだから連絡しないでください。さようなら」

震える手でやっとでメッセージを打ち、送信をして別れを告げた。
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