年上同期から恋人へのロード
秋月くんの不意打ちの言葉と仕草に、思わずどきっとした。
私は、男性の甘い仕草になれていない。
秋月くんは女性経験が豊富だろうから、かわいげのない私をからかって言ったんだろう。

お昼休み。会社には食堂があるが、管理部員は、ほとんどお弁当や何か買ってきて、自席や空きスペースで食べたりしている。

「牧瀬さんくらいだよ、秋月くんに素っ気ない態度取るの。みんな声掛けたくてもかけられないのに」
「秋月くんはただの同期ですから」
そんなに気を遣うほどでもないのに・・・と考えながら卵焼きを頬張った。
「秋月くんてイケメンだし、優しいし。彼女どんな人なのかな~いいな~」
「笹田さん、藤堂さんにいいつけますよ!」
「それは絶対にダメ~」
「イケメンは女性がたくさん近寄ってきますからね、女性の扱いに慣れているし、危険です。しっかり藤堂さんを捕まえてないと、連れ去れちゃいますよ」
「牧瀬さん・・・何があったの~お姉さんに何でも話しなさい!」
「え~っと、それはまたの機会に」
話すと面倒なことになりそうなので、別の話題に切り替えた。
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